「6艇だから地味」「1号艇有利はずるい」は本当?データで見るボートレースの魅力【競馬ファン向け】

「6艇だから地味」「1号艇有利はずるい」は本当?|Boat-V ブログ 競馬と比較

競馬から来た方の多くが、ボートレースに対してこう感じているのではないでしょうか。「最大18頭立ての競馬に比べて、6艇しかいないから配当が低そう」「1号艇が有利すぎて、なんかずるくない?」。

結論から言うと、この2つの懸念には、データで裏付けられる部分が実際にあります。誤魔化さずに数字を出した上で、それでもボートレースが面白い理由を説明します。

懸念1:「6艇だから配当が低い」は本当か

まず組み合わせの数そのものを比べてみましょう。3連単(1〜3着を着順どおり当てる)の場合、ボートレースは6艇なので 6×5×4=120通り。競馬は最大18頭立てなら 18×17×16=4,896通りです。単純な組み合わせ数では、競馬の方が圧倒的に多くなります。

ボートレース(6艇) 120通り 競馬(最大18頭) 4,896通り ※3連単・出走可能な最大数で計算
組み合わせ数だけ見ると、競馬の方が圧倒的に多い

実際の歴代最高配当を比べても、この差は明確です。JRA(中央競馬)の3連単歴代最高は5,836万7,060円(2026年1月31日・小倉6R、単勝388.2倍・209.0倍・26.4倍という人気薄同士の組み合わせによる大波乱)。対してボートレース3連単の最高配当は、Boat-Vの自社データベース(2021年以降の全レース)で確認できる範囲では76万1,840円(2022年11月1日・児島7R「6-1-5」)です。その差は約76倍。「配当の天井が低い」という先入観は、この点では正しいと言えます。

1レースあたりの配当水準で見ても、正直に言うと競馬の方が高くなります。JRAの3連単は「万馬券」(配当が100倍以上)になる割合が約7割、平均配当も13万円台と報告されています。対してボートレースの3連単は、Boat-Vの自社データベース(2021年以降の全レース、307,664レース)で集計すると、平均配当は7,220円、100倍以上になる「万舟券」の割合は16.8%でした。1レース単位で比べれば、配当の規模も出やすさも競馬の方が上です。

ここで差がつく理由の一つは、開催規模そのものの違いです。JRAは年288日・1日最大12競走が上限(年間最大3,456競走)なのに対し、ボートレースは24場でほぼ365日、毎日どこかで開催されており、Boat-Vの自社データベースでは1日あたり平均151.6レース、年間ではのべ5万5千レース以上にのぼります。1レースごとの当たりやすさでは競馬に及びませんが、開催規模が15倍以上あるぶん、年間で見た「100倍以上の配当」の発生総数では、ボートレースの方が多くなる計算にはなります(自社DB調べで年間約9,300件、JRAの万馬券率を掛け合わせた概算では年間約2,400件)。ただし、これはあくまで「開催規模の差」による結果であり、1レースあたりの配当を比べれば競馬の方が高い、という前提は変わりません。

懸念2:「1号艇有利はずるい」は本当か

同じデータベースで2021年以降の全レースを集計したところ、1号艇(1コース)の全国平均1着率は55.8%でした(直近1年でも55.9%とほぼ同水準)。会場によって差はあるものの、内側の艇が有利という構造は安定しています。

比較対象として、JRAの単勝1番人気(=そのレースで最も支持された馬)の勝率は、18頭立てのレースで32.8%と報告されています。数字だけ見れば、ボートレースの1号艇は競馬の1番人気よりも「勝ちやすい」——ここは懸念2を裏付ける事実であり、正直に認めるべきところです。

ボートレース 1号艇(1コース) 55.8% 競馬 単勝1番人気(18頭立て) 32.8% ※いずれも複数年集計。自社DB(ボート)・分析サイト集計(競馬)による
ボートレースの1号艇は、競馬の単勝1番人気より高い確率で1着になっている

ただし、ここから先が面白いところです。

  1. 55.8%ということは、残り44.2%=ほぼ2回に1回はイン以外の艇が勝っている計算になります。「絶対」ではなく「よく起きるが、覆ることも多い」というのが実態です。
  2. 1号艇が構造的に有利であること自体はなぜ1号艇が有利なのかで説明した通りですが、その有利さが「今日のレースで実際に活きるかどうか」は、展示タイム・展示STの見方で紹介した展示航走という目に見える判断材料である程度見極められます。競馬の「なぜこの馬が強いのか」は血統・調教という外から見えにくい情報に依存しがちですが、ボートレースは当日の調子を自分の目で確認できるという透明性があります。「ずるい」と感じる構造そのものが、実は予想の取っ掛かりとして扱いやすいという側面があります。
  3. まさにこの「1号艇が有利」という前提があるからこそ、前付けはなぜ難しい?でも触れた通り、有利な内側のコースを巡る駆け引き(前付け)が生まれます。

数字では測れない魅力——選手生命の長さ

最後に、勝率や配当のようなデータには表れない魅力を一つ紹介します。ボートレーサーには定年制度がありません。直近90日以内に実際に出走した現役選手を調べたところ、最年長は77歳(高橋二朗選手)で、60歳以上の現役選手も33名いることが確認できました。

競走馬は数年で現役を退き、種牡馬や繁殖入りするのが一般的です。一方でボートレーサーは、同じ「人」を10年・20年、時には数十年単位で応援し続けられます。これは競走馬にはない、ボートレース特有の楽しみ方と言えるでしょう。

競走馬(現役期間の目安) 数年ほどで引退が一般的 ボートレーサー(定年制度なし) 10〜数十年単位(現役最年長77歳の例も)
ボートレーサーは、同じ選手を長い年月にわたって応援し続けられる

まとめ

  • 配当の天井も、1レースあたりの配当水準(万舟券率16.8%・平均7,220円)も、競馬(万馬券率約7割・平均13万円台)の方が高い。1レース単位ではボートレースの配当は競馬に及ばないというのが正直な結論。開催規模がボートレースの方が15倍以上大きいため、年間の発生総数だけで見ればボートレースの方が多くなる計算にはなるが、これは開催規模の差によるもの。
  • 1号艇の勝率(55.8%)は競馬の単勝1番人気(32.8%)より高いが、それでも半分近くは覆っているうえ、展示航走という透明性の高い判断材料がある。
  • 選手には定年がなく、数十年単位で応援し続けられるという、競走馬にはない魅力がある。

よくある質問(FAQ)

Q. ボートレースの配当は競馬より低いのですか? A. はい、1レースあたりで比べると競馬の方が高くなります。歴代最高配当(競馬5,836万7,060円 vs ボートレース76万1,840円)だけでなく、「万馬券・万舟券」(100倍以上の配当)が出る割合も競馬が約7割、ボートレースが16.8%(自社データベース調べ)と、競馬の方が高配当になりやすい構造です。ただしボートレースは開催規模が大きい(年間のべ5万レース以上)ため、年間の発生総数で見るとボートレースの方が多くなる、という別の見方もできます。

Q. 1号艇はどれくらい勝つのですか? A. 自社データベースで2021年以降を集計したところ、全国平均で55.8%でした。会場によって差があります。

Q. 1号艇が負けるレースの方が多いこともありますか? A. 全国平均で見れば1号艇が勝つ確率(55.8%)の方が高く、負ける方が多い、ということはありません。ただし44.2%はイン以外の艇が勝っており、覆ることも十分に多いと言えます。

Q. ボートレーサーに定年はありますか? A. ありません。3年に一度の登録更新時に健康診断の基準を満たせなくなると引退することはありますが、年齢そのもので引退が決まる制度はなく、70歳を超えて現役を続ける選手もいます。

次のステップ


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