騎手とボートレーサー、「人」の違い|乗り替わりと固定、免許制度と体重規定【初心者向け】

騎手とボートレーサー、「人」の違い|Boat-V ブログ 競馬と比較

競馬とボートレースは、どちらも「人が操る」競技です。しかし、その「人」の制度は大きく違います。この記事では、騎手とボートレーサーという「人」に注目して、免許・乗り替わり・体重という3つの角度から違いを整理します。

騎手は「乗り替わり」、見習騎手には減量特典

競馬の騎手は免許制で、レースごとに乗る馬が変わる「乗り替わり」が基本です。同じ騎手が毎回同じ馬に乗るわけではありません。

競馬には見習騎手制度もあります。免許取得からの通算期間が5年未満で、平地競走の勝利度数が100回以下(障害競走は20回以下)の騎手が対象で、技術が未熟な騎手を育成する目的で、特別競走・ハンデキャップ競走以外のレースで負担重量が軽減されます(JRA「見習騎手(競馬用語辞典)」)。勝利度数に応じて減量幅は変わり、30勝以下は3kg・50勝以下は2kg・100勝以下は1kgの減量が受けられるとされています(競馬ブック「減量騎手」)。この減量は馬の能力差ではなく、騎手自身の経験の浅さに着目した調整です。

30勝以下 -3kg 50勝以下 -2kg 100勝以下 -1kg 技術が未熟な見習騎手を育成するための負担重量の減量制度
見習騎手は勝利度数に応じて負担重量が減量される

ボートレーサーは「乗り替わり」がない——固定なのは「人」

ボートレーサーには、競馬の乗り替わりのような制度はありません。選手は毎回、自分自身の艇に自分の腕前だけで乗り続けます。一方で、競馬ファンが一から始めるボートレース競馬ファンならもう予想できる?で触れたとおり、モーター・ボートという機材は開催ごとの抽選で決まり、選手の腕前とは切り離されています

つまり構造が逆なのです。競馬は「人(騎手)が変わり、対象(馬)はレースごとに変わる」のに対し、ボートレースは「人(選手)は変わらず、対象(モーター)だけが開催ごとの抽選で変わる」——固定されるのが「人」か「対象」かが、ちょうど入れ替わっています。

競馬 騎手(人) 乗り替わる 馬(対象) 毎回変わる ボートレース 選手(人) 変わらない モーター(対象) 開催ごとに変わる
「変わるのは人か対象か」が競馬とボートレースで入れ替わっている

なお、ボートレーサーも国家資格に相当する免許を持つ「人」で、騎手同様に免許制度があります。競走会が運営する養成所で約1年間の訓練・試験を経て免許を取得する仕組みで、詳しくはレーサーはどう生まれる?養成所「ゼロからプロへ」の1年で扱っています。

体重規定——競馬は能力別のハンデ、ボートは一律の下限

体重についても両者は方向性が異なります。

競馬の斤量(負担重量)には馬齢重量・定量・別定・ハンデキャップという4方式があり、多くのG1をはじめ主流は馬の年齢・性別で一律に決まる馬齢重量・定量です(競馬ファンが一から始めるボートレースで詳しく扱っています)。この中でハンデキャップ戦に限っては、馬の過去の戦績に応じて重量を変え、能力差そのものを重量差で相殺しようとする仕組みになっています(JRA「負担重量(斤量)」)。

一方、ボートレースにも最低体重基準があります。男子52.0kg・女子47.0kgで、基準を下回る選手は不足分を重りで補って規定体重まで増量します(boatrace.jp「体重(用語辞典)」)。この基準は2020年11月1日に男子が51.0kgから52.0kgへ引き上げられました(boatrace.jp「男子選手の最低体重基準値を引き上げ」)。

ここで注意したいのは、ボートレースの体重規定は競馬のハンデ戦とは方向性が逆だという点です。競馬のハンデ戦の斤量は「強い馬に重い斤量を課して能力差を縮める」個別調整ですが、ボートレースの最低体重基準は「軽いほど有利になりすぎないよう、全員に同じ下限を一律で課す」ルールで、個々の選手の勝率や実力には連動しません。

競馬のハンデ戦 能力に応じて個別調整 強い馬ほど重く ボートの最低体重 全員に同じ下限 男子52.0kg・女子47.0kg 「能力別の個別調整」か「一律の下限」か——方向性が逆
競馬のハンデ戦の斤量とボートレースの最低体重は、似ているようで方向性が逆

まとめ

  • 競馬の騎手は免許制で「乗り替わり」が基本。見習騎手には勝利度数に応じた減量特典があります。
  • ボートレーサーも免許制(養成所での訓練)ですが、乗り替わりはなく、自分自身の艇に乗り続けます。変わるのは選手ではなくモーター(開催ごとの抽選)です。
  • 体重規定の方向性も逆です。競馬のハンデ戦の斤量は能力に応じた個別調整、ボートレースの最低体重基準は全員一律の下限です。

よくある質問(FAQ)

Q. ボートレーサーにも減量のような制度はありますか? A. 競馬の見習騎手のような減量特典はありません。ボートレースにあるのは、軽すぎる選手に重りで増量させる最低体重基準です。方向性が逆の制度と考えると分かりやすいです。

Q. モーターが変わるのに選手の実力は関係ないのですか? A. モーターの性能差は選手の実力とは別の要素として扱われます。選手の技術・進入やスタートタイミングの巧さは、モーターが変わっても選手自身に残るものです。

Q. 体重規定は勝率にも関係しますか? A. 最低体重基準は全選手一律のルールで、個々の勝率とは連動しません。ただし同じモーター・ボートを使う場合、一般的には体重が軽い方が有利とされ、荒れた水面では重い方が安定するともされています。

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公式で確認するJRA「見習騎手(競馬用語辞典)」JRA「負担重量(斤量)」競馬ブック「減量騎手」boatrace.jp「体重(用語辞典)」boatrace.jp「男子選手の最低体重基準値を引き上げ」

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