「なんか怪しい」は本当?ボートレースの不正防止の仕組み【競馬ファン向け】

「なんか怪しい」は本当?|Boat-V ブログ 競馬と比較

公営競技と聞くと、「なんとなく怪しい」「八百長がありそう」というイメージを持つ方もいるのではないでしょうか。結論から言うと、ボートレースには実際に不正事件が起きた過去があります。これを隠さずに認めた上で、そこから何が変わったのか、現在の不正防止の仕組みを紹介します。

正直に認めます:2020年に実際の不正事件がありました

2020年1月、SGにも出場していた有力選手が、規則で禁止されている携帯電話を宿舎に持ち込み、親族に「意図的に着順を落とす」ことを伝えて報酬を受け取っていたことが発覚しました。親族側はその情報をもとに舟券を購入し、約3年半で3億円を超える利益を得ていたとされ、選手・親族の双方がモーターボート競走法違反で逮捕・起訴、有罪判決が確定しています。ボートレース史上でも特に大きな不祥事として報じられました。

その後も、2021年には200人以上の選手が新型コロナウイルス対策の持続化給付金を不適切に受給していたことが判明し、2022年にはトップ選手と予想を行う業者との金銭のやりとりが明らかになるなど、信頼を揺るがす事案が続けて報告されています。「なんか怪しい」という印象は、こうした一連の報道を踏まえると、根拠のない先入観とは言い切れません。

事件を受けて、不正防止の体制は大きく強化された

この2020年の事件を受けて、BOATRACEは公式に再発防止策を発表しています(2020年2月19日)。主な内容は次の通りです。

  • 選手宿舎に携帯電話の通信を遮断する抑止装置を導入
  • 全レース場に金属探知機を追加導入し、ゲート型金属探知機を全国のレース場に順次導入
  • 私物検査を担当する職員を5〜6名から7〜9名に増員
  • 選手控室のロッカーや宿舎の居室で抜き打ちの私物検査を実施
  • メールによる専用相談窓口を新設(既存の「ふれあいフリーダイヤル」の周知も強化)し、異常な投票やレース映像を検証する委員会を設置
  • 違反者への懲戒規程の厳罰化
通信対策 宿舎に通信抑止装置 金属探知ゲート全国導入 検査体制 私物検査職員を増員 抜き打ち私物検査 通報・監視の仕組み メール相談窓口を新設+異常投票・レース映像を検証する委員会を設置 違反者への懲戒規程も厳罰化
2020年の不正事件を受けて公式に発表された再発防止策(2020年2月19日発表)

「缶詰め」とも呼ばれる選手の隔離期間

ボートレースの不正防止の柱になっているのが、選手を外部から物理的に遮断する仕組みです。開催前日の前検(前日検査)で会場入りした選手は、その場で携帯電話などの通信機器をすべて預け、以後は外部との連絡が一切できなくなります。開催期間中は宿舎・会場の敷地内から出ることも禁止され、この状態は前検日から開催終了まで、およそ5〜7日間(開催日程によってはさらに長くなることもあります)続きます。ファンの間では「缶詰め」と呼ばれることもある徹底ぶりです。

ボートレース「缶詰め」 前検日から開催終了までおよそ5〜7日間 JRA「調整ルーム」 前日夜〜1〜2日
外部との接触を遮断される期間は、ボートレースの方が長い

競馬(JRA)の不正防止はどう違うのか

JRAにも、これと似た仕組みがあります。騎手は開催前日の金曜21時までに「調整ルーム」に入室し、外部との連絡を遮断されます。2023年6月からは通信機器の持ち込みが完全に禁止され、職員立ち会いのもとセーフティボックスへ預けることが義務化されました。加えて、レース中はパトロールタワーから競走を監視し、1〜3着馬などを対象に禁止薬物の使用有無を調べる理化学検査(ドーピング検査)が行われます。騎手という「人」を隔離する仕組みは、実はボートレースと共通しています

大きく違うのは隔離される期間の長さです。JRAの開催は基本的に土日の1〜2日間で、調整ルームへの入室も前日の夜から開催最終日のレース終了までにとどまります。対してボートレースの「缶詰め」は前検日から開催終了まで5〜7日間続きます。加えてJRAは、人間である騎手だけでなく、動物である競走馬への薬物検査という、ボートレースにはない検査レイヤーを持っています。「どちらが厳しいか」を単純に比較することはできませんが、人を隔離する期間の長さという点では、ボートレースの方が徹底していると言えます。

まとめ

  • ボートレースには2020年に実際の不正事件があり、その後も信頼を揺るがす事案が報告されてきたのは事実です。
  • ただし事件のたびに、通信抑止装置・金属探知ゲート・内部通報制度など具体的な再発防止策が公式に発表・実施されてきました。
  • 選手を外部から遮断する「缶詰め」は前検日から5〜7日間続き、JRAの調整ルーム(前日の夜のみ)より隔離期間が長いという特徴があります。
  • どちらの競技も公正確保に本気で取り組んでおり、対象(人間か、人間と動物の両方か)や仕組みの重心が異なる、という違いです。

よくある質問(FAQ)

Q. ボートレースで実際に不正事件はあったのですか? A. はい。2020年1月、SG出場歴のある選手が意図的に着順を落として親族に利益供与するという事件があり、関係者が逮捕・起訴されています。その後も金銭授受など複数の事案が報告されています。

Q. 今のボートレースは不正が起きにくいのですか? A. 2020年の事件を受けて、通信抑止装置の導入・金属探知ゲートの全国設置・私物検査職員の増員・内部通報制度の新設など、公式に発表された再発防止策が実施されています。ゼロを保証するものではありませんが、体制強化は続いています。

Q. 「缶詰め」とは何ですか? A. 開催前日の前検から開催終了まで、選手が宿舎・会場の敷地内から出られず、外部との連絡も遮断される状態のことです。ファンの間でそう呼ばれることがあります。期間はおよそ5〜7日間です。

Q. 競馬にも似た仕組みはありますか? A. あります。JRAの騎手は前日の夜に「調整ルーム」へ入室し、外部との連絡を遮断されます(2023年6月から通信機器の持ち込みは完全禁止)。ただし期間はボートレースの「缶詰め」(5〜7日間)より短く、前日の夜からレース終了までです。

次のステップ


公式で確認するBOAT RACE オフィシャルウェブサイト「不正行為に関する再発防止策について」(2020年2月19日)用語辞典「前検(前日検査)」JRA「禁止薬物(競馬用語辞典)」公益財団法人 競走馬理化学研究所「薬物(ドーピング)検査」

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Boat-V は非公式のデータビューアです(BOATRACE振興会・各競走場・関係団体とは関係ありません)。本記事で紹介した事件・制度の情報は報道および公式発表に基づくものです。舟券の的中や収益を保証するものではありません。舟券の購入は20歳になってから、のめり込みにはご注意ください。

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