ボートレースの歴史と伝説の名勝負|1952年の発祥から語り継がれる名場面まで【初心者向け】

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ボートレースは、いつ・どこで始まったのでしょうか。そして、何十年経っても語り継がれる「名勝負」には、どんな共通点があるのでしょうか。今日のレースを楽しむ前に知っておくと、観戦がもう一段面白くなる歴史の話を、初心者向けに整理します。

大村から始まった、ボートレースの歴史

ボートレースは1951年6月18日に公布された「モーターボート競走法」にもとづく公営競技で、1952年4月6日、長崎県の大村競艇場(現・ボートレース大村)で日本初のモーターボート競走が開催されました。

当時の認可順では津競艇場が1号、大村が2号だったとされますが、「大村なら国の一番端にあるので、万一のことがあっても影響が小さい」という考えから、テストケースとしての初開催は大村が先になったと伝えられています。この経緯を伝えるため、ボートレース大村には2009年に「ボートレース発祥の地記念館」が開館し、年表や当時の資料が展示されています。

1952年 大村で発祥 1988年 グレード制導入 1997年 名称「競艇」に統一 2010年 BOAT RACE導入 現在 全国24場
大村での発祥から現在まで、70年以上続くボートレースの歩み

競艇からBOAT RACEへ、制度も少しずつ変わってきた

レースの格付けである「グレード制」は1988年4月1日に導入されました。現在はSG・G1・G2・G3・一般戦の5段階で、最高峰のSGは「ボートレースクラシック」「ボートレースオールスター」「グランドチャンピオン」「オーシャンカップ」「ボートレースメモリアル」「ボートレースダービー(全日本選手権)」「チャレンジカップ」「グランプリ(賞金王決定戦)」の8競走だけが該当します。

呼び方も変わってきました。1997年度からは「競艇」という名称に統一されていたとされますが、2010年度からは公式ブランドとして「BOAT RACE」が導入され、若い世代や女性にも親しみやすいイメージへの刷新が進められています。舟券の種類も、2000年に現在の主力券種である3連単が導入されたとされるなど、少しずつ形を変えながら現在に至ります。

語り継がれる名勝負① 植木通彦 vs 中道善博(1995年グランプリ)

ボートレースファンの間で「歴代随一」と語られることが多いのが、1995年12月24日、ボートレース住之江で行われた第10回グランプリ(賞金王決定戦)優勝戦です。この年の総決算となる一戦で、優勝賞金は6,000万円とされていました。

1号艇には前年覇者の中道善博(「ターンの魔術師」と呼ばれた選手)、5号艇には「不死鳥」と呼ばれた植木通彦が乗り込みました。植木の異名は、1989年に桐生競艇場でのレース中に転覆事故に遭い、後続艇のプロペラで顔面に全治5か月の重傷を負いながらも、同じ桐生で復帰戦を果たしたことに由来すると伝えられています。この優勝戦でも植木は5号艇からただ外を回るのではなく、前付けでダッシュよく2コースへ回り込み、内側の中道に食らいつく体勢を作ったと伝えられています。

レースはスタート直後、2コースからの植木のツケマイを1号艇の中道がしっかり受け止めて先頭に立つと、1周目の2マークで植木の差しが決まって逆転。ところが2周目の1マークで中道が内から強襲して再び先頭を奪うと、植木も食い下がり、3周目の1マークで植木が三度目の差しを決めて再逆転——3周にわたって抜きつ抜かれつのデッドヒートが続きました。バックストレッチは並走のまま最終ターンへ突入し、先にコーナーへ飛び込んだ植木と、差しにきた中道が最終直線でわずかの差を競り合い、植木が優勝を収めました。

スタート:中道(1号艇)がリード 1周2マーク:植木(5号艇)の差しが決まり逆転 2周1マーク:中道が内から強襲し再逆転 3周1マーク:植木が三度目の差しで再逆転 バックストレッチ〜最終ターン:並走のまま突入 最終直線:植木が僅差で優勝
1995年グランプリ優勝戦の順位推移(簡略図)。3周にわたりリードが3度入れ替わり、決着は最終直線でついた

動画で見る:「ボートレース史に残る名勝負!植木通彦VS中道善博 第10回グランプリ」(ボートレース公式映像配信 JLCレジャーチャンネル)

語り継がれる名勝負② 丸岡正典 vs 瓜生正義(2008年全日本選手権)

「21世紀最高の名勝負」とも呼ばれるのが、2008年10月13日、ボートレース丸亀で行われた第55回全日本選手権(ボートレースダービー)優勝戦です。1号艇・1コースの丸岡正典と、4号艇の瓜生正義が主役でした。

1コースからスタートした丸岡がまず先頭に立ちますが、1周目の1マークで旋回に失敗すると、そこを見逃さず瓜生が差して先頭に立ちます。しかし丸岡は1周目の2マークで差し返して首位を奪還。そこからゴール直前まで、艇と艇がぶつかりそうなほどの超接近戦が続き、最後はわずかな差で丸岡が優勝しました。

スタート:丸岡(1号艇・1コース)がリード 1周1マーク:丸岡が失敗、瓜生が差して先頭に 1周2マーク:丸岡が差し返し、先頭を奪還 ゴール直前まで超接近戦が継続 ゴール:丸岡が僅差で優勝
2008年全日本選手権優勝戦の順位推移(簡略図)。1マークでの逆転・差し返しが決め手になった

動画で見る:「丸亀ダービーでの死闘!丸岡vs瓜生!」(ボートレース公式映像配信 JLCレジャーチャンネル)

なぜ、こうした名勝負が生まれるのか

どちらのレースも、共通するのは「SGという一発勝負の大一番」であることです。SGは1年に8競走しかなく、しかも6艇という少人数で優勝戦まで勝ち上がった選手だけが顔をそろえます。実力が拮抗した選手同士が、1マーク・2マークの旋回で何度も攻め合うからこそ、数十cm・わずか一瞬の差が優勝を分けるドラマが生まれやすいと言えそうです。

こうした名勝負は今も語り草として残り、上で紹介した「ボートレース公式映像配信 JLCレジャーチャンネル」のように、公式が振り返り映像を公開していることもあります。過去の名勝負を知ってから現在のレースを見ると、「今日も、いつかの名勝負のような一戦が生まれるかもしれない」という楽しみ方ができます。

よくある質問(FAQ)

Q. なぜボートレースは大村で最初に開催されたのですか? A. 認可自体は津競艇場が先だったとされますが、「日本の端にある大村ならテストケースとして何かあっても影響が小さい」という考えから、初開催は大村が先になったと伝えられています。

Q. SGとG1の違いは何ですか? A. 1988年に導入されたグレード制で、レースはSG・G1・G2・G3・一般戦の5段階に分かれています。SGは1年に8競走だけの最高峰で、グランプリやボートレースダービーなどがこれにあたります。

Q. こうした名勝負の映像は今でも見られますか? A. はい。本文中で紹介した「ボートレース公式映像配信 JLCレジャーチャンネル」など、公式のYouTubeチャンネルで名勝負を振り返る映像が公開されています。

次のステップ


公式で確認するBOAT RACE「LEVEL.1 SG、G1、G2、G3、一般戦の、5つのグレード」BOAT RACE「SG」(用語辞典)BOAT RACE「ボートレースダービー 歴代優勝者」BOAT RACE「グランプリ 歴代優勝者」BOAT RACE「第10回賞金王決定戦」詳細

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